戦場に赴く戦士へ誓いの歌を

一人の仲間が死線の見える場所へ向かっている
まだその時までには時間がある、いい意味でも悪い意味でも
 
話をしている彼は
死向かい合った僧正のようにも見え、恐怖に向かい合った子犬のようにも見えた
情けない話だが、それを聞いてかけてあげられる言葉はなかった
考えてみても私にできることなど何も無かった
せいぜい信じていない神に祈るくらいだった
ここまで無力感に打ちのめされることも久しい
 
だが、ひとつだけできることを見つけた
手も届かない声も届かない彼に歌を贈ることだ
Bump of Chicken 「バトルクライ」
 
生きるとは人と人とのしがらみに縛られることだと思う
それはとても窮屈でわずらわしくて息苦しいものだ
その鎖全てを断ち切ってしまいたいと思ったこともある
だが、千切れた鎖の切れ端は残された者を縛りつづける
たどった先には何もない重りとなって
 
ただひたすらに祈る
生きて帰ることを
 
残された時間が彼にこの言葉を届けますように