拡大していかないという選択肢

考え方は目からウロコ、とはいかないけども
実践しているところがあったのは驚きでした
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn/20061005/20061005-00000027-fnn-soci.html
かいつまんで言うと、「会社とは常に拡大・成長していくもの」という
高度経済成長の幻影を根本から否定する考えの元に会社を運営・維持していこうとするビジネスプロデューサーさんの話


若者はなぜ3年で辞めるのかに通じる部分もあります


働いている仕事によっては
常に会社を成長なんてできるわけないし、そんなの時代遅れと思うかもしれない
だがそれが当たり前として仕事している所は少なくない、笑えないほどに
製造関連だと拡大路線が無理というのが在庫という形で示されるためさほどではないが
営業系だと4半期ひとつ過ぎたら売上目標1.5倍とかを目の前で見てました


1.5倍の根拠も実はなかったりする
なんか顧客ニーズが盛り上がる要素があるから、売れる要素があるからというものはない
平たく言えば会社売り上げ1.5倍にしたいからてめえら売って来いって具合である
ちなみに下がることはあるのか?と好奇心から聞いてみたことがあるが
「個人の目標が下がることはあるが、会社の売り上げ目標は下がらない」とのこと
それを買うだけの顧客はどこにいるのだろうという質問は喉元で止めておいた


しかもこの会社だけだろうと思っていたら営業系はどこも似たようなものというからさらに笑えない


売り上げを上げるには基本的に「単価を上げる」もしくは「売る量を増やす」の二択
飲食店で考えれば「ランチしか食べない客にデザート付けさせる」もしくは「二人連れの客を三人連れにする」という具合
それを1シーズンごとに1.5倍に増やすんである
春にはお昼500円だったら夏には750円、1125円・・・という具合
私なら遅くとも秋にはその店でランチを食べるのを止める


また1.5倍目標は全員一律「平等に」かけられる(多少事情考慮で変動はするが)
週50万売る中堅は75万へ、週100万売るベテランは150万になる
あとはひたすらに比例曲線を駆け上がっていくという図式らしい
そこから解放されるのは管理職へ上がるか、誰かに引きあがった目標金額請け負ってもらうか、仕事辞めるかである
ちなみに話の会社では3年で7割の人が入れ替わったりしていたらしい


ビジネスプロデューサさんの考え方は顧客を一部に絞り、そこを維持しつづけるというもの
ニュースではリフォーム会社が例として使われていて
通常の化学素材のリフォームから自然素材を生かしたリフォームを行うように転換すると同時に
アレルギー体質の人や自然物・天然物好きな人のみに顧客を絞る手法を取っていた
(この手の人は急拡大しない代わりに急縮小もしない一定数は存在する顧客)


日本は急成長した、でもそれが今後続くわけがない、そんなことはもう誰もわかっているはずなのに
自分の会社は常に成長していける、と考えているのはなぜだろう
いやむしろわかっているはずなのに管理職は誰もそれを言い出さず風船を膨らますように会社を膨らめようとする
いずれは破裂するとわかっているはずなのに・・・
だから私がそういうところに居ると抵抗を感じるんだろうなあと思ってみたりする