バブルな気がする

いざなぎ越えですか、そうですか。


今日は単に髪を切りに、いつもの店にいって何気なく一言最近忙しいんですと話したところ
「最近そういう人増えましたね」
とのこと


景気は良いに越したことはないのだろうけど、それが屍の上に立つ楼閣だと門をくぐるのにためらいが走る
万人に幸せを、なんていうのはいかにも奇麗事で現実味に欠ける言葉だと我ながら思うが
国際競争力を得るために、なーんてのたまってコンクリートのビルの中を戦場だらけにするくらいなら
まだ奇麗事の方が救いがあるような気がする。


ストレス社会でそれを癒すためのサービスや商品が沢山あって、そのサービスや商品を生み出すためにストレスが
生み出されると考えると皮肉以外の何者でもないんじゃないかなと思うことがある。
それでストレスの総数が増えてるのか減ってるのか数えることはできないけど、
この循環の終わる見込みが見えない辺り、結局何も進歩なんかしてないんじゃないかなと思ってみたりする。


経済の水準が挙がって、世界No1になってその後に何があるんだろうって考えると私の頭は真っ白になる。
美味い物があり、寒さに凍えて寝る必要もなく、気に入った服着て歩ける以上にあまり求める物がないこともあるが
今以上に何があるのか、私の頭には何も浮かばないのである。
動く歩道を全面整備なんて思ってみても、掛ける労力と時間の割にありがたみがないなあ、なんて思う。


今日の通りかかった街の途中で、ストリートの大道芸人を見た。
デジタルな世界のものさしじゃ、きっとチープでへたくそな芸でしかないと思う。
でも私を含め、人が足を止め子供が手を叩いて喜んでいる。そこには生きた芸がある。
劣化することのない保存された芸ではないのだ。


今の私が歩きたい道があるとすれば、それは歩かなくても流れていける道路じゃなくて
歩く先々に色んな人がいて、色んな芸に溢れる街が良いな


いつもより少し寒い空の下でそんなことをふと思った。