海外旅行が国際競争力を上げるだって?

http://www.ohmynews.co.jp/news/20080228/21495
風が吹けば桶屋が儲かる、までいかないにしても飛躍しすぎだろう。


この前記事である「旅をしない若者たち」は一意見として聞くのはありかと思うが
気を良くしたのか次作たる本記事は結論までが筋道立っていない。
末尾に国際競争力まで持ち出したのはいかがなものか。


海外旅行を進める人が良く口にする「勉強になる」とは不思議である。「何を」勉強したのだ?
現地へ行って学ぶことは、文化、もうちょっと砕いて言えばマナーや何に価値観を置くか
また嗜好といったものだろう。特産なんかも勉強できるのかな。


じゃあそれは何に使うのだ?現地で飲食店でも開きたいという方には大変勉強になるだろうが
毎日日本にあるオフィスでPCと向き合っている人がどのように活用されるのかさっぱり理解ができない。
取引先が海外であったとしても必要なのは共通で話せる言語と、商習慣の共有であり
現地情報があると有利という程度の十分条件以上にはなりえないと思う。


過去にバックパッカーだった人(現役だったかもしれんが)と一緒に仕事をして、外国は方々回ってきたと色々話を聞いたが、申し訳ないがその情報は職業柄数年経った今も役に立ったことがない。
そろそろ情報が古くなるので更新が必要と思うのだが、墓穴を掘る方だったので(私の中で)帰らぬ人となった。
モンゴルの山奥でもブロードバンド環境があることは当時びっくりした情報であったが、今でもそれを知って情報を役に立てる方法が思い浮かばない。


さらに国際競争力の競争相手は「企業」である。海外研修なら外国企業と接触もできようが
観光や長期滞在で企業と接触したり内情を詳しく知ることができるのか?
詳細がネットで出ることはないと思うが、できるのか否かくらいは知っておきたいところである。
尚、バックパッカーのページでは景色が綺麗だった、この宿よかった、飯うまかったくらいであり
お世辞にも国際競争力とは縁があるとは言えないと思う。


敵を知れば競争が有利になる点に異存はない。しかしただ海外に出ればそれが知れるのか。
観光や滞在で得られる情報がビジネスとセグメントが違うのだから、それは十分条件であって必要条件ではないと思われる。
「役に立つかも」の情報であり「役に立つ」情報とは限らない。


応援には感謝を、だが競争力を得るという目的はとって付けた感が否めない。