敵だらけ

自分の周りが敵だらけになっていたら、それは何かが間違っているかもしれない。


先に「敵」を定義しておくと、ここでは基本的に自分の邪魔をする人。
本来なら意図的に協力してくれない人も含まれるが、ちと話ややこしくなるので除外する。


うん、わかってる。いちいち何かと邪魔してくる人がどれだけ小さい奴かなんてことは。
でも見なくちゃいけないのは、そういう人の器の大小じゃなくて、目の前にある事実と
「なんであいつは邪魔してくるんだろう」というところ。
相手に理由ぶつけて収束させてしまうことはできるけど、なーんにも変わらないから。
何かが間違っているかもしれない。それの文意はここにある。


私ならどう掘り下げていくか。まずは相手が邪魔していることで利を得ているかを考える。
すなわち、私が何かすることで相手が不利になることがあるから、邪魔をしてくる場合。
この選り分けは行動を分析するとわかる。特定のことを邪魔するのか、なんでも邪魔してくるのか。


特定のことだけの場合、これは何か不利になるから相手が行っている。
仕事を邪魔してくるけど、同僚と遊びにいくのは邪魔してこない。つまり仕事絡みで不利になるから私に仕事して欲しくないのである。
そこから掘り下げれば、昇進絡みだとか、自分の部署の仕事が減るとか、そういうことが見えてくる。


なんでも邪魔してくる場合、これは個人攻撃。とりあえず私を貶めたいということだろう。
利よりも相手の個人的で感情的な理由が多い。嫌いだとか、あいつが自分より上なのがむかつくとか、そういう辺り。
この場合は過去の接点から追っていって、相手に負の感情を起こさせる要因がないか考える必要がある。
一切絡みがなくここに陥ることはあまりなく、なんらかの前後からこうなっているはずである。
絡みがない場合は、人づての噂や身体特徴から追っていくことになる。(なんか勝手に悪名が渡り歩いてるとか)


こうした分析が終われば、多少なり対処法が見えてくる。
例にあげた場合で言えば、昇進絡みの場合、これは仕事を回してやればいいのである。これを成功させたら
評価がグンと上がるよなんて添えれば奮起して仕事をするだろう。
ただし自分の責任になるような仕事を回してはいけない。故意に失敗して、自分を貶めにかかる場合があるからだ。
良いのは上司から回ってきた仕事を、「あいつなら向いてますよ」と振るのがベターかな。


感情的な理由の場合、とりあえずこっちが謝ることである。
それが自分がそうする気がなかったかどうかは別にして、少なくとも相手は不快に感じているのである。
(知らなければ犯罪していい、ってことはないよね?)
そして心理的な面で言えば、○○があったからあいつは悪人であり私には正義がある、という理由付けの部分が
邪魔する行動を後ろ盾しているため、こっちから謝った瞬間にそれが崩れるんである。
謝って来た人間に対して攻撃するのは、これはもう極悪人としか言えないわけで、自己弁護のしようがなくなってくる。
それを持って好かれるようになるかは別にして、邪魔する行動は取りづらくなる。
後はもう、貴方を不快にさせる気はなかったんだよ、とか添えておけば良い。


ただ、徹底抗戦の場合もある。
たったひとつしかない椅子の奪い合いとか、たった一人の相手の奪い合いとか。
それはもうその奪い合いが終わるまでは終わらないだろう。邪魔を封じる手段は必要だが。
しかし邪魔されたからといって、こっちも同じ手を使えばただの泥沼試合になる点は常に念頭に置いておく方が良い。


最後になるけど
「なんで自分がここまでしなくちゃならんのだ?」という声は聞こえてきそうだが
ちょっかい出されてなんとも無ければ問題化しないわけで、それが自分にとって腹立つからなんか手を打ちたいと思うのである。
対人において、黙っていても変わっていくのは周りだけではないだろうか。
こういう件に限らず、自分から遠まわしでもいいから働きかけないと何も変わっていかない。
シンデレラですら舞踏会に参加しようとしなければハッピーエンドにつながっていない。
そういう意味で、敵が無意味に多い人は怠慢なのではないか、という見方もできるんじゃないかな。


降りかかる火の粉がいずれ火矢に変わらんことを祈ります。