懐かしき人

たまたまつけたTVで高校時代の恩師を見た
先生へ生徒が通知表をつけるという取り組みを特集されていた
 
口ひげを蓄えたぱっと見はちょっとナイスミドル(当時で30後半だから失礼かもしれんが)
物腰は柔らかく、温厚な感じの人
教科担当で2年お世話になったが、それ以上にこの先生からの教わったことは多い
 
自称「不良教師」で私のような生活指導対象の生徒であっても対等な目線で話し
指導するときでもただ頭ごなしに言わず
「おまえなあ、それさえ直せばちゃんとみんなにわかってもらえると思うぞ?」
そんな風に諭しながら苦笑いしていたのを覚えている

政治・経済の授業が担当で授業でも時事のニュースなどを取り上げていたが
ただこんなことがあった、だけじゃなくて
そこに違う角度の分析や統計を加えた上で、「俺はこう思う」と加える先生
無論それは教師とか以前の一個人としての意見だから聞き入れるかどうかは各自の自由というスタンス
しかし、その内容はものすごく的を射てて説得力に溢れていた
テストにも必ず小論文をつけ、単一の回答のない問題を挙げていた
 
それでも時折そのスタンスを変えて力強く主張したり怒ることもあった
確固たるものがあるからこそ、そう言うのだと思うが
その確固たるものすらも「一個人の」というスタンスだったのかな、と今思い返すとそう感じる
 
それでも授業にわけのわからないおもちゃを持ってきて紹介したり
自分の子供も話をしたりして「俺って馬鹿だろ?ははは」と
いい意味で自分の子供の部分を持ちつづけている人でもあった
 
TVの最後で生徒からつけられた通知表を開き
「2ですって、厳しいですよね、ははは」
と苦笑いしていた
きっと今でも不良教師なんだと思う